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地元の神戸を離れ上京してからひさしぶりに出張で短い帰郷…(※上司のお供…)
お得意様の会社に挨拶回りを終えるともうお昼をすぎていた…
『お疲れ様でした…』
『あぁ…』
『もうお昼ですね…』
『そうだな。昼めしにしようか…』
『せっかくの神戸だから、神戸の美味しい物を食べよう…』
『神戸牛のランチにでもするか?』
上司からのまさかの神戸牛リクエストに内心…
ラッキー!!と叫んだ…
『神戸牛ですか?いいですね〜…』
『店は神戸出身の君に任せるよ!!』
『あ、はい…』
上司も居ることだしすこし贅沢をしようと神戸で一番有名なステーキハウス『カワムラ』へと上司を案内した。
鉄板の前のカウンター席に座り、メニューを開き注文する…
『私はフィレ肉コースで110gで…』
『じゃあ僕もおなじもので130gでお願いします。』
注文して数分後…鉄板の前にシェフがやってきた。
『いらっしゃいませ。』
『今から焼かせていただきます。』
かしこまったシェフの登場に高級店らしさを感じた…
『あ、はい、お願いします。』
『焼き加減はいかが致しましょうか?』
『私は、ブルーで食べたいなあ…』
(ん?、ブルー!?…)
はじめて聞くワードに戸惑った…
(ブルーって…なんだ?)
『えっと…じゃあ、ミディアムレアで…』
『かしこまりました。』
そういうとシェフは付け合わせの野菜をサッと焼き、目の前にやってきた…
『味噌ダレ、ポン酢、お塩…お好みの物でお召し上がりください。』
注文したお肉が鉄板に落とされた。
ジュジュー…と、お肉の焼ける音、匂いに浸っていると、上司のお肉があっという間に焼かれて目の前に置かれた…
(え?もう焼けたの?)
(まわりが焼けたくらいでいいの?)
はじめて聞くブルーという焼き加減が気になり、上司に聞いた…
『ブルーって、なんですか?』
『ん?ああ、ブルーはまわりだけさっと焼いて、中は冷たいままの焼き加減のことをブルー(レア)って言うんだよ…』
『私ははじめて来るステーキハウスではこの焼き方でお肉を食べるんだよ…』
『この焼き方だと、お肉本来の味や新鮮さなんかがわかって、そこのお店の味がわかるような気がしてね…』
(なるほどー!!)
(大人な食べ方だなあ…)
そんな会話をしながらひさしぶりの神戸牛をなさ堪能した…
『ごちそうさまでした。ひさしぶりの神戸牛、美味しかったです。』
『そうか…』
『じゃあ、そろそろ帰るか…』
『はい…』
ひさしぶりの神戸牛を堪能し、あっという間に地元を後にした…短い帰郷だった。