【かけがえのない人を大切にすること】

#きらきらひかる

#江國香織 さん

満足度 ★★★★

読みやすさ ★★★ 3.5

—-内容をザクっと—-

アルコール依存症を患う笑子と恋人のいるゲイの睦月は、全てを許し合って結婚したはずだった。奇妙な二人の結婚生活から見えてくる新しい愛のかたちとは…。

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章ごとに笑子、睦月目線で読めるので、一人称より物語を深読みできて面白かったです。

33年前に書かれた物語ということで、物語の中にはまだ携帯もなく、ポケットベルや電話線などが出てくる。なんでもどこでもすぐに連絡を取れる今の時代よりも、こっちの時代のほうがちょっと羨ましいな。

笑子は突拍子のなく泣いてしまう。このアルコール中毒の症状は、付き合う人も本人も大変だろうなと感じました。

アルコール依存症もこの時代では、まだあまり浸透してない。言葉の表現もゲイのことをホモと言ったり、おとこおんなと言ったり…今はだいぶ理解が増えてきましたが、当時の同性愛者への風当たりがまあ強いこと。傷つく二人を見ていて、ぎゅーって胸が詰まりました。

恋人がいる睦月は次第に何もしてあげられない笑子に申し訳ない気持ちになり、笑子は気にしていないようで寂しいのが伝わってくる。ついには、睦月は笑子の親友にも両親にも自分がゲイであり恋人がいることをカミングアウト…読んでいて私が笑子だったら、睦月だったらと考えてしまった。

かけがえのない人を大切にする。そんな当たり前のことに気付かされる愛の物語でした。

笑子、睦月、そしてその恋人、紺がいつまでも幸せに暮らせることを願ってる🥹

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